レターセットが紡ぐ、
心の距離。

午後の穏やかなひととき。

 

木目の美しい机の上に、そっと置かれたレターセット。

淡いクリーム色の便箋に、繊細な花の模様があしらわれている。

 

窓の外では、春風が優しくカーテンを揺らし、鳥のさえずりが響く。

彼女は深く息を吸い、ペンを手に取った。

 

「元気にしていますか?」

最初の一文字を綴ったとき、遠く離れた大切な人の顔がふと浮かんだ。

手書きの文字が、心に秘めた想いをそっと映し出す。

 

デジタルではなく、紙だからこそ伝えられる温もり。

便箋に染み込むインクが、そのときの想いをそっと刻む。

 

手紙を書き終え、封をする。

お気に入りの切手を貼り、指先で撫でると、

そこに込めた想いが指に伝わるようだった。

 

ポストに投函する瞬間、胸の奥に小さなときめきが生まれる。

この便りが、大切な人のもとへと旅立ち、

手に取ったその人の心に、そっと寄り添うことを願いながら。

 

それは、言葉を超え、心をつなぐ贈り物だった。

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