郊外にある小さな雑貨店。
木の棚には、温もりが伝わる手作りの雑貨が並び、
店内には、ほのかに甘いアロマの香りが漂っている。
入り口近くの棚には、「リラックスしたい夜に」と書かれた
手書きのPOPがそっと置かれていた。
女性は、POPの言葉に心を惹かれ、
棚に並ぶハーブティーの小瓶を手に取った。
ラベンダー、カモミール、ペパーミント ——
瓶を傾けるたび、ふわりと香りが広がる。
「そういえば、最近ゆっくりできていなかったな…」
彼女は心の中でつぶやきながら、
選んだラベンダーティーをかごに入れた。
小さなPOPの言葉は、何気ないものかもしれない。
けれど、それはふと立ち止まった心に寄り添い、
日常の選択をやさしく後押ししてくれる。
POPが伝えたのは、ただの商品説明ではなく、
それを手にした人の心にそっと灯る、やさしい時間だった。